未破裂脳動脈瘤に対するカテーテルによるフローダイバーター(FD)治療について

未破裂脳動脈瘤に対するフローダイバーター(FD)治療は、脳動脈瘤の中にコイルを詰めるのではなく、親血管(脳動脈瘤ができている元の血管)に網目の細かい特殊なステントを留置する最新の血管内治療(カテーテル治療)です。

治療の仕組み

  • 血流の変更:脳動脈瘤の入り口(ネック)を細かいメッシュで覆うことで、脳動脈瘤内への血流を減少させます。
  • 自然な閉塞:脳動脈瘤内の血液が淀んで血栓化し、最終的に脳動脈瘤が縮小・消失します。
  • 血管の修復:ステントを足場にして血管の内膜が再生され、血管の壁そのものが修復されます。

治療の対象とメリット

  • 対象5mm以上の未破裂脳動脈瘤に使用可能となっています。
  • 適応症例:脳動脈瘤の入り口が広い「ワイドネック型」や、従来のコイリング治療では再発リスクが高い大型の脳動脈瘤に特に有効です。
  • 低侵襲:カテーテル治療のため、開頭手術に比べて身体への負担が少なく、入院期間も4日〜1週間程度と短いのが特徴です。

留意点とリスク

  • 即効性ではない:脳動脈瘤が完全に消失するまでには、数ヶ月から1年程度の期間がかかります。
  • 薬の継続:ステント内での血栓形成(詰まり)を防ぐため、術前後に抗血小板薬(血液をサラサラにする薬)を服用する必要があります。
  • 合併症:合併症率(約12.7%との報告あり)や、専門医による慎重な適応判断が必要な高度な治療です。

当院から紹介し、藤田医科大学ばんたね病院脳神経外科や愛知医科大学病院脳神経外科などにて治療を受けられた症例も増えてきました。フローダイバーター治療後の脳動脈瘤がMRIから描出されなくなる過程をフォローしている症例もあります。当院では、このような治療をおこなえる病院と連携をとって外来診療をおこなっています。