各種予防接種(任意接種)のご案内

対象者:海外渡航者、海外赴任者、海外留学者、医療従事者、その他一般

麻疹(はしか)

麻疹ウイルスはとても感染力が強いのが特徴です。感染した人と一緒の空間にいるだけでも感染し、手洗いやマスク着用などでは予防することができません。
ワクチンによる予防が重要で、2回接種することで麻疹にかかるリスクを大きく減らすことができます。

成人における抗体検査、任意接種をおこなっています。当院受付までご相談ください。

 

新型コロナ(COVID-19)ワクチン

当クリニックにおける個別接種

ファイザーやモデルナの新型コロナワクチンを接種しています。供給され次第、当院ホームページでお知らせします。

特徴

mRNAワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)です。このmRNAを基に中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができます。

接種対象者

12歳以上(変更される場合あり)。

接種方法

三角筋(上腕)に筋肉注射。

有効性

発症予防効果は約94%と報告されています。

安全性

副反応は、注射部位の痛み、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱などで接種当日よりも翌日にみられることが多い。通常、1〜2日でおさまります。まれにショックやアナフィラキシーがあります。万が一、ワクチンの接種によって健康被害が生じた場合には、国による予防接種健康被害救済制度がありますので、お住まいの各自治体にご相談ください。  

接種を受けることができない人

  • 37.5℃以上の発熱をしている人
  • 重症の急性疾患に罹患中の人
  • 本ワクチンの成分に対し重度の過敏症の既往歴のある人

接種当日の注意事項

接種前に、ご自宅で体温を測定し、明らかな発熱がある場合や体調が悪い場合などは、接種を控え、ご連絡ください。接種後、15分様子観察。

帯状疱疹

過去に水痘(みずぼうそう)に罹患したことがある人は体内にウイルスが潜伏していて、抵抗力・免疫力が低下した時に帯状疱疹として発症します。皮疹・水疱が身体の片側に出現します。ピリピリとした疼痛がみられることが多い。発症部位は、頭部~顔面(17.6%)、頚部~上肢(14.5%)、上肢~胸背部(31.2%)、腹背部(19.6%)、腰背部~下肢(17.1%)となっており、頭部顔面にもみられ強い頭痛の原因となる場合があります。好発年齢は50歳代以降ですが20~40歳代にもみられます。通常、皮膚症状が治ると疼痛も消失しますがその後にもピリピリとした疼痛が持続する場合があります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。なかなか治りにくいことが知られています。ワクチンは帯状疱疹発症予防だけでなく、帯状疱疹後神経痛への移行予防も期待されています。帯状疱疹ワクチン(生ワクチン)は1回で済みます。公費助成を受けることや、生活保護世帯・市民税非課税世帯の方は自己負担金の免除制度もあります。
(名古屋市役所ホームページを参照ください。)

A型肝炎

A型肝炎は加熱処理されていない食べ物や飲み物から感染する病気で、アジア、アフリカ、中南米に広く存在します。特に60歳以下の人は抗体保有率が低いため、接種をおすすめします。
ワクチンは2~4週間隔で2回接種します。国産ワクチンは2回接種後2週間程度で免疫がつくため、海外渡航の際は出発1~2か月前までに受診し、接種を開始するのが理想的です。3回目の接種は帰国後でも問題ありません。3回接種するとその後約5年は効果が持続します。
(当院における対応年齢:3歳以上)

B型肝炎

成人では、B型肝炎ウイルスキャリアの家族がいる場合や、血液や体液に触れる機会の多い仕事(医療従事者、救急隊員、警察官、保育職員、介護職員など)に就いている人は、特に接種が推奨されます。また、性行為感染症の一つですので、性的な行動のある(Sexually active)すべての人にも推奨します。ワクチン3回接種後の防御効果は20年以上持続すると言われています。
(当院における対応年齢:10歳以上)

髄膜炎菌感染症

髄膜炎菌は感染者の呼吸中に生じる飛沫や咽頭分泌物を介して感染します。感染者とのキスやコップの共用などのほか、狭い空間での共同生活(寮生活)など、長時間の緊密な接触が感染の原因となります。髄膜炎ベルト地帯と呼ばれる大西洋からインド洋に至る東西に細長い地域が流行の中心ですが、メッカへの巡礼などにより西アジアでも時に流行が見られます。日本や欧米でも学生などの間で集団感染を起こします。ワクチンの 効果はおよそ80-95%です。効果期間は接種から5年間です。
(当院における対応年齢:3歳以上~56歳未満)

破傷風

破傷風菌が産生する毒素のひとつである神経毒素により痙攣をひき起こす感染症です。破傷風菌は土壌中に広く常在し、 創傷部位から体内に侵入します。特徴的な症状である強直性痙攣は破傷風毒素が主な原因であり、潜伏期間(3 ~21 日)の後に局所(痙笑、開口障害、嚥下困難など)から始まり、全身(呼吸困難や後弓反張など)に 移行し、重篤な患者では呼吸筋の麻痺により窒息死することがあります。 破傷風は傷口から感染するので、土に触れる作業従事者、キャンプ、冒険旅行などで怪我をする可能性の高い人におすすめするワクチンです。1967年以前と 1975年〜1981年 に生まれた人は、破傷風を含むワクチンの定期接種がおこなわれていなかったため、基礎免疫をもっていません。そのためまずは3回接種を推奨します。基礎免疫があれば、追加接種1回だけで約10年間効果があります。
(当院における対応年齢:22歳以上)

狂犬病

狂犬病は、発症すればほぼ100%が死亡する病気です。アジア・アフリカ地域を中心に世界中で発生しています。イヌだけでなくキツネ、アライグマ、コウモリなどの動物に引っかかれたり、咬まれたりすることによって感染する危険性が高く、長期滞在、研究者など動物と直接接触し感染の機会の多い場合や、奥地・秘境などへの渡航ですぐに医療機関にかかることができない人におすすめするワクチンです。 毎年世界中で約5万人の死者を出しており、感染した動物に噛まれた人の40%は、15歳未満の子供です。潜伏期間は平均で1~2カ月です。初期症状は非特異的で、発熱、頭痛、および倦怠感がみられます。数日以内に脳炎(80%でみられる狂躁型狂犬病)または麻痺(20%でみられる麻痺型狂犬病)を発症します。脳炎は不穏、錯乱、興奮、奇異な行動、幻覚、および不眠症を引き起こします。唾液が過剰に分泌され,水を飲もうとすると喉頭筋および咽頭筋に痛みを伴う痙攣が生じます(恐水病)。麻痺型狂犬病では、上行性の麻痺および四肢麻痺が生じます。通常は症状の出現から3~10日で死亡します。 ラビピュール® ワクチンは、1か月以内に3回接種のスケジュールのため、約1か月で接種が完了します。曝露前のワクチン接種をおこなっている場合であっても、特に狂犬病発生地域でイヌやコウモリなどに咬まれた場合には曝露後のワクチン接種が必要です。
(当院における対応年齢:3歳以上)

肺炎球菌(高齢者用)

2026年4月1日から定期接種で使用されるワクチンが従来の「ニューモバックスNP(23価)」から「プレベナー20」へ切り替わることです。

1. 2026年4月からの主な変更点

2. 対象者と助成制度

名古屋市の方針では、ワクチンの種類が変わっても対象となる年齢区分に大きな変更はない見込みです。

定期接種(公費助成あり)
  • 満65歳の方(一生に一度のみ)
  • 60歳〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器等に重い障害がある方
名古屋市独自の任意接種助成
  • 満66歳以上で、過去に一度も肺炎球菌ワクチン(23価)を接種したことがない方

インフルエンザ(シーズン)

(当院における対応年齢:3歳以上)

RSウイルスワクチン(RSウイルス感染症)

RSウイルスとは

RSウイルス(Human respiratory syncytial virus , RSV)は、パラインフルエンザウイルスやヒトメタニューモウイルスなどの呼吸器ウイルスと同様に、通常の感冒様症状や、場合によっては下気道炎(気管支炎、細気管支炎および肺炎)を引き起こすウイルスです。

RSウイルスの伝播経路

RSウイルスの主たる感染経路は飛沫感染です。感染者の咳やくしゃみにより飛散した飛沫が眼、鼻、口の粘膜に付着する直接的な接触や、飛沫や鼻汁によりウイルスで汚染された面に触れた手から眼、鼻、口に入る間接的な接触によって感染が成立します。
ウイルスを含んだ飛沫は1〜2m程度飛び散り、手や物などの表面に付着してから数時間は感染性を保ちます。

通常、感染者は3〜8日間感染力を持続し、高齢者はより長期間にわたりウイルスを排出する可能性がある。
RSウイルスの基本再生産数(R0)は3以内と報告されています(海外データ)。

RSウイルス感染のリスク

成人におけるRSウイルス感染症の症状および転帰

RSウイルス感染症は一般的に軽症ですが、重篤な合併症や重大な転帰の原因になることもあります。

成人におけるRSウイルス感染症の重症化リスク要因

RSウイルス感染症の重症化リスクの要因として、年齢、基礎疾患、免疫機能があげられます。

RSウイルス感染症とインフルエンザのアウトカム

RSウイルス感染症およびインフルエンザで入院した患者さんのうち、肺炎はRSウイルス感染症では47.4%、インフルエンザでは25.8%でした(海外データ)。

60歳以上に対するワクチン(アレックスビー)有効性

RSウイルス感染による下気道疾患の初回発現に対する有効性(mES)[主要評価項目]検証的解析結果

RSウイルス感染による下気道疾患に対するアレックスビーの有効性は、82.58%[96.95%信頼区間:57.89,94.08%]で、有効性が検証されました
両側96.95%信頼区間の下限値が事前に規定した主要目的の達成基準(20%超)を満たしたことから、アレックスビーのRSウイルス感染による下気道疾患の初回発現に対する有効性が検証されました

GSK HPより引用

高用量インフルエンザワクチン

高用量インフルエンザワクチンは、特に免疫機能が低下しやすい高齢者向けに開発された「通常より強力な」ワクチンです。
日本では2024年12月に初めて承認され、今後の普及が期待されています。

1. 高用量ワクチン(エフルエルダ)の概要

日本で承認された製品名は 「エフルエルダⓇ筋注」(サノフィ社)です。

  • 最大の特徴: 従来のワクチンと比較して、免疫を作るための成分(HA抗原)が4倍含まれています。
    ○ 通常用量:各株15μg(計60μg)
    ○ 高用量:各株60μg(計240μg)
  • 対象者: 原則として60歳以上(海外では65歳以上が主流)。
  • 接種方法: 筋肉内注射(従来のインフルエンザワクチンは皮下注射が一般的ですが、こちらは筋肉に打ちます)。

2. なぜ「高用量」が必要なのか?

高齢になると「免疫老化」により、通常のワクチンでは十分な抗体がつかないことがあります。

  • 高い予防効果: 海外の研究では、標準量ワクチンと比較して、インフルエンザの発症をさらに約24%抑えるという結果が出ています。
  • 重症化の防止: 入院リスクや肺炎などの合併症を減らす効果がより高いと報告されています。

3. 標準ワクチンとの比較表

4. 副反応と注意点

抗原量が多いため、体に免疫反応が起きやすく、標準量に比べて副反応の頻度が少し高くなる傾向があります。

  • 局所反応: 接種部位の痛み(約44%)、腫れ、赤み。
  • 全身反応: 倦怠感、頭痛、筋肉痛など。
  • 期間: ほとんどが軽度で、接種から1〜2日以内に自然に治まります。

5. 日本での接種について(2026年現在)

  • 承認状況: 2024年末に承認され、2025/26シーズンから順次導入が進んでいます。
  • 公費助成: 自治体によって高齢者定期接種の選択肢に含まれるかどうかが異なります。全額自己負担(任意接種)の場合、標準ワクチンよりも費用が高くなるのが一般的です。

腸チフス

腸チフス(Typhoid Fever)は、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、海外渡航時には注意が必要な深刻な感染症です。
適切な治療を行えば予後は良好ですが、放置すると全身に深刻な合併症を引き起こす恐れのある疾患です。

腸チフスの流行地域

地域別のリスク詳細
WHO(世界保健機関)やCDC(米国疾病予防管理センター)などのデータに基づいたリスク分類は以下の通りです。

その詳細な経過と予後、ワクチンなどについてまとめました。

1. 臨床経過:4つのステージ

腸チフスは、治療を行わなかった場合、1週間ごとに症状が変化していく「典型的な経過」をたどります。

  • 第1期(第1週):発症期
    ○ 階段状に体温が上昇し、40℃近い高熱に達します。
    ○ 倦怠感、頭痛、食欲不振が現れます。
  • 第2期(第2週):極期(きょくき)
    ○ バラ疹(胸や腹部の赤い斑点)が現れます。
    ○ 徐脈(高熱のわりに脈拍が速くならない)や、脾腫(ひ臓が腫れる)が確認されます。
  • 第3期(第3週):潰瘍期
    ○ 最も危険な時期です。腸のリンパ組織が壊死し、**「腸穿孔(腸に穴が空く)」や「腸管出血」**を起こしやすくなります。
    ○ 意識混濁や難聴などの精神神経症状(チフス状態)が出ることもあります。
  • 第4期(第4週):解熱期
    ○ 熱が徐々に下がり、回復に向かいます。

2. 予後(病後の見通し)

適切な治療(抗菌薬)を受けた場合

  • 致死率は1%以下に抑えられます。
  • 通常、抗菌薬投与から2〜5日以内に解熱が始まり、劇的に改善します。
  • ただし、近年は多くの抗菌薬に耐性を持つ**「多剤耐性チフス菌」**が増えており、薬の選択が治療の鍵を握ります。

未治療の場合

  • **致死率は10%〜20%**に達すると言われています。
  • 死因の多くは、腸穿孔による腹膜炎、重度の腸管出血、または敗血症(全身の感染)によるショックです。

合併症のリスク

回復した後も、以下のような問題が起こることがあります。

  • 再発: 治療が不十分だと、5〜10%の割合で数週間後に症状がぶり返すことがあります。
  • 慢性保菌者(キャリア): 完治したように見えても、**胆嚢(たんのう)**に菌が棲みつき、便から菌を出し続ける状態になる人がいます(約2〜5%)。この場合、本人は無症状でも周囲への感染源となってしまいます。

3. 日本国内での扱い

腸チフスは日本の感染症法において**「三類感染症」**に指定されています。

  • 診断後の義務: 医師は直ちに保健所に届け出る必要があります。
  • 就業制限: 飲食物に触れる仕事(飲食業など)に従事している場合、菌が体から完全に消えたことが確認されるまで、仕事への従事が制限されます。

4. 診断と治療のポイント

5.腸チフスワクチンの薬品名と詳細

 

各種予防接種は予約にて受付しています。
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(電話:052-799-3355